海の底の藻屑

漫画やアニメを見ながら中身のない話をするブログ

一握りのスパイス ~RELEASE THE SPYCE 12話についての所感と今後の期待~

 みなさんこんにちは。半蔵こと、ナマコ男です。クリスマスということでTLが何やら騒ついていますが皆さんは元気でしょうか?私は今日も元気です。*1 

 

 

 つい最近、友人たちと2018年秋クールを振り返りつつ2019年冬を予習する音声通話会*2 が開かれたのですが、

 

オタク1グリッドマンよかったね(略)」

オタク2良い(略)」

オタク3寄宿学校のジュリエットだなぁ〜(略)」

オタク2わかる〜(略)」

(以下略)

 

といった様子*3 でそれぞれ見てきたアニメを振り返りつつ若干の考察も加え、とても楽しい議論をすることが出来ました。やはり意見を交わすと新たな発見があり興味深いですね。

 

 

 

 さて、そんな会議の最中、先日私が記事にもした「RELEASE THE SPYCE」(リリスパ)の最終話が放送される時間が近づいてきたため一時会議は中断して視聴へ移行。11話までのまとめた記事をあげていたこともありワクワクドキドキでした。

 

namakootoko.hatenablog.com

*4

 

 

 今回の記事では、遂に最終話を迎えたリリスパ、その感想や今後の展開について、友人たちと話した内容も含めてお伝えして行こうと思います。

 

 それでは。

 

 

 

 

 

・総評

 まずはツキカゲのみんなにはお疲れ様を言いたいです。師弟の力を合わせて、チーム一丸となり「ゲッカコウ作戦阻止」という無謀な任務を無事に完遂することが出来たのは物凄いことだし、大変喜ばしいことです。本当にお疲れ様でした。

 

 リリスパはタカヒロ氏のインタビュー*5 にもある通り、「人から人へ受け継がれるもの」と「師弟の絆」を軸とした成長物語です。序盤と比べ弟子たちの、特にモモの成長が目覚ましく、ラストミッションの折には彼女たちの師匠のような感慨深い気持ちで一杯になりました。ツキカゲ所属までは「何もなかった」モモが「積み重ねた努力」が、遂に実を結んだ瞬間には思わず涙が溢れ「あぁ今まで見てきて良かったなぁ」と素直に思えました。裏切りや師匠の負傷などやや不穏な場面もありましたが、最後には悪を蹴散らしハッピーエンドの王道展開でスッキリです。

 雪たち師匠世代が先代から受け継いだバトンが弟子へしっかり渡され、それはまた次世代へと受け継がれ。そうして「ツキカゲは永遠に」、空崎という愛すべき街とそこに住む人々を陰ながら守っていくのだなと感じられ、賛否両論あるかもしれませんが、私は最高の出来だったと思います。本当に楽しかった、ありがとう。

 

 

 本作、しっかりと考察材料も提示されており、実に丁寧な作りでした。1話から各所にチラリと見え隠れする伏線・乗り越えてきた経験最終話で一気に収束し、全ての思い出が困難を貫く槍となっていくカタルシスには頭がおかしくなりそうでした。あまりにも気持ちいい。進研ゼミみたい。

 考察をせずとも、ツキカゲが歩んできた景色をしっかりと覚えていればいるほど最終話が楽しい、そんなアニメだったと思います。本当にリアルタイムで見れて良かった……

 

 

 

・12話の細かな感想と気になる点(前回の考察の答え合わせを含め)

 

 さてさて、そんな素晴らしい12話、ストーリーの流れに沿って細かく見ていこうと思います。本当は注目したいシーンだけを掻い摘んで話すつもりでしたが、毎秒名シーンだと言うことに気が付いてしまったので全部話していきます。駄文、長文。すみません。

 

 

 

 

1. ゲッカコウ起動

 11話ラストのカウントダウンの後満を持してゲッカコウが起動。命は散布される薬物の効果をモウリョウのスポンサーたちに生き生きとした様子で解説をします。「一定量吸い続ける*6 と完全に自我を失う」というあまりに危険な効果を楽しげに語る命の姿にドン引きです。これで二重スパイじゃなかったらあんたヤバイけど、二重スパイだったとしてもその演技力マジでヤバイぞ……

 

 

 

 

2.  ゲッカコウ潜入

 負傷中の雪は外部からの解析でサポートを、他3人は実働部隊としてゲッカコウを停止すべく制御室を目指します。この辺りの乗り物で畝るパイプを掛ける姿(特にスケートボードを用いたシーン)は名探偵コナンの劇場版を思わせ1人で興奮していました。かっこいいよね。

 道中、人形に阻まれ辛い足踏みかと思いきや、殿を五恵が務める形でモモと楓は先へ。やはり横綱、頼りになります。

 そこからさらに二手に分かれ、モモは人形群を食い止めるために外に残り、楓はゲッカコウ内部へ進み単身制御室を目指します。ここでノータイムで背中を預ける様子は物語序盤では考えられない信頼の強さを感じさせます、本当に成長したなぁ……

 

 そうしてゲッカコウ内部に潜入することに成功した楓ですが、待ち構えていた通路一杯の人形による機銃掃射により先へと進むことができません。まさに絶体絶命。

 そんなことはつゆ知らず、命は天童のいなくなった会場でスポンサーたちと乾杯を。ほーんま何やってんジャーーーーーーーーーイ!

 

 

 

 人形のマイクを通してモモを煽ってくる天童には画面越しにも苛立ちと焦りを感じます。「洗脳が完了するゾ〜」じゃないんだよなぁ。

 しかしモモは止まりません。ツキカゲの行動を「無駄な努力だ」と嘲られても、直向きに人形を倒し続けるモモ。5話でドルテと対峙した際に真っ先に師匠に泣きついた彼女と本当に同一人物なのかと疑わしくなるほどに精神的な成長を感じます。

 

 

 

 

3. 闖入者

 そんな最中、突如ゲッカコウが動作を停止し、薬物散布が中断されます。突然の異変に驚く楓をよそに、人形で埋め尽くされた通路の奥からは聞き覚えのある、まだ幼さを残した元気な声が。

 姿を見せたのは声の主である白虎と、スパイ装束に身を包んだカトリーナ。やっぱり生きてました!!彼女らの元へ駆けつけた楓と同様に画面越しに歓喜の声を漏らした刹那、OP「スパッと!スパイ&スパイス」のイントロが掛かり快感のあまり「あああああああああああああああああああ」と声が漏れました。我ながら気持ち悪いなぁと頭の隅に感じつつも挿入歌と共に始まる一転攻勢に身震いが止まりません。

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↑ ライトセイバーかな?

 

 驚きを隠せない天童の元へ命からの通信が入り、会場のスポンサーたちが一斉に倒れてしまったと報告を受けます。白々しい!白々すぎるよ命!イッタイナニガオコッタンダー

 その知らせに特に動じるそぶりも見せず、寧ろ呆れたかの表情を見せながら命の裏切りを看破。事前にそれを見越して与えた毒(九天ゼリー赤)で命を殺そうとしますが、命の隣からひょっこり初芽が。*7

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 ↑ とても可愛い。

 よかっっっだあああああいぎでだぁあああ!*8

 「命にはすでに解毒剤を飲ませている」と告げる初芽の姿に、さすがの天童も明らかな動揺を見せます。*9

 通信機を用いて初芽は自らの弟子へと生存と帰還を伝えます。人形に囲まれ押され気味だった五恵は師匠の無事の知らせで再度身を奮い立たせ人形を蹴散らしていきます。かつては暴走した五恵を止める鎖となった初芽の声が、今度は優しく背中を押す力へと変わり、私は「五恵、初芽、いやもう尊すぎて無理……」と完全に精神がおしまいに。あぁ……あぁ……あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜……

 

 このタイミングで命が二重スパイだったことを自ら告白し始めます。やはり刃を交えた時に楓は勘づいていたようです。「説明しよう!」と命が自信げに語り始めた直後に、天童は舌打ちしながら何やら携帯機器を取り出し「GEKKAKO STATUS」の文字が書かれたウィンドウを表示します。

 

 

 

 命が語る真実はこうです。

1. 2年前のモウリョウ基地潜入作戦時にその規模の大きさに危機感を抱いた命とカトリーナは、モウリョウに二重スパイ仕掛けることを2人だけで決断。命は最も危険であろう二重スパイの役目を進んで名乗り出ます。明らかに向いていないだろう初芽と、師匠を失い傷心の雪のことを考え、自分にしかこなせないだろうとのことですが、お前ほんと……本当にそういうところだぞ……!*10 カトリーナにチームを危険に晒す可能性について問われた時にも命はノータイムで「ツキカゲなら大丈夫」と答えます。仲間への絶対的な信頼におま、本当にお前はァ……!!!

 

2. 時は現在に戻り、8月17日wasabi」爆破時も事前に爆弾の存在を伝え、カトリーヌに白虎を連れて逃亡してもらいます。逃亡先はツキカゲ本部

 

 

3. カトリーナは作戦通り、初芽と雪の死を偽装するべく行動を始めます。

 この時、死体のダミーとして採用されたリアルな人形ですが「GOLDEN GENESISに登場したものと同じものでしょう。用途は全く異なりますが命がカトリーナを騙すために使用しています。

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 vs初芽戦時、命はギリギリのタイミングで初芽にアイコンタクトによって意図を伝えることに成功。*11 海へと沈む初芽を待機していたカトリーヌがダミーとすり替え救出成功

 

 雪に関してもプランはあったようですが、モモを人質に取られるという不測の事態には対応できなかった様子。「生きててホッとしたよ……や〜〜全部が狙い通りには行かないね〜〜!笑」と恥じるような笑みを浮かべおちゃらけた様子で語る命。いや、お前それは……

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↑ 可愛い。

 

 件の雪は警察の到着が都合良すぎたことで薄々気が付いていたようで「後で覚えておきなさいよ。」と本気か冗談か分からない忠告をするのみ。本当にそれだけで済ませていいのか雪さん!?*12

 

 

4. やはり命が拷問室で五恵の拘束具を緩めていたことが明かされます。ここは流石スパイの手際ですね。

 

 

 

  以上が命の二重スパイ活動の全てでした。

 

 

4. 再起動

 皆の生存と、裏切り者がいなかったことが判明しメンバーたちは一安心。人形を倒し切ったモモも目を潤ませ喜びます。ゲッカコウが停止し会場内のスポンサーも全て取り押さえたことでツキカゲの圧勝かのように見えましたが、まぁそう上手くはいきません。

 

 

 再びゲッカコウが起動し、薬物散布が再開され一同驚愕。*13 

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 命の暴露の最中に予備の動力へと切り替えたと語り、余裕の表情で通信を切断する天童。*14 天童が取り出していたデバイスはこの為のものだったようです、相変わらず丁寧な描写です。表示されるイムリミットは6分弱と時間がありません。

 

 

 

 

5. 打開の一手

 命の暴露大会の最中にも懸命に解析を続けた結果、遂に雪はゲッカコウの内部構造を完全に解析し終えます。構造からし「真上の穴から爆発物を投下すれば、効率的に破壊できる」とのことですが、流石のツキカゲも建物を一気に崩壊させるほど強力な爆弾を都合よく持ってはいません。焦る初芽に「爆発物はある」と告げるカトリーヌ。そういえば何かあったような……

 爆発物投下を確実に成功させるために、妨害してくるであろう天童はここで排除、あるいは無力化しておかなければなりません。が、皆人形に足止めを食らい、師匠達も現場からは程遠い場所に。誰も天童のもとへ向かうことが出来ないかに思えましたが、ゲッカコウ内部でただ1人だけ自由なツキカゲメンバーがいましたね。

 そう、外の人形を掃討したモモです。自分だけが動けることを瞬時に判断し*15 天童が待つゲッカコウ屋上にたどり着きます。

 

 2人が対峙した瞬間、打ち上げ花火が空いっぱいに咲き誇ります。開戦の狼煙を思わせますね。

 通信で雪は「剣の腕では敵わない」と忠告しますが、モモは臆することなく「それでもやる」と決意を口にします。決意を聞き届けた雪は続けて天童は服の下に暗器を忍ばせていると忠告します。ここで心配や静止を口にしないあたり、8話の頃とは違いモモをもう一人前と認めていることが伺い知れます。てぇてぇ……

 最後に天童の右肘の古傷のことと一つアドバイスと伝えてモモを送り出します。

 

 

 

「持てる力の全てで、戦いなさい!」

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6. 決戦、vs天童久良羅

 天童は身体強化の薬物*16を、モモはスパイスをキメ、剣を構えて互いを見据えます。

 霞に構えた後、「先手必勝!」と叫び先に駆け出すモモ。長穂の教えは世代を超えてしっかりとモモの中に生きています。上段から迫るモモの一撃を自らの刃で受ける天童、僅かな鍔迫り合いからモモを蹴り飛ばし、その隙に「モモの父親の死の真相」を餌に精神的に揺さぶりを掛けます。しかしモモは平静を保って態勢を立て直し、まっすぐ天童を狙います。雪の甘言にいちいち揺らいでいた頃とは違い、今ではすっかり自分を制御することが出来ています。本当によく成長したなぁ……

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↑ 下から諸手のモモに対して上から片手の天童、力の差が分かりやすい。

 

 仕込み針を用いた天童の変幻自在の攻撃に翻弄されるモモ。遂に天童の放つワイヤーに刀を奪われ打つ手無し……かと思われましたが、こちらもカマリの助けや携帯型拳銃などで臨機応変に対応。奪われ床に捨てられた刀を拾い直すことに成功しますがモモの機転はこれだけではありません。おもむろに透明化クリームを取り出し、刀身に塗り付け不可視の刃へと変化させるという奇策に打って出ます。さながら「Fate」セイバーの風王結界*17 ですね。

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 距離を詰め、屈んで足元への斬りはらい、倒立しつつ体を捻りながらの打ち込みと、鍛えてきた身軽さであらゆる方向から天童へ攻めを繰り出し続けます。しかし二撃、三撃、幾度と襲いかかる不可視の斬撃のことごとくを受け切られ、クリームの効果も切れてしまいモモは決定打を打ち込めません。

 ここで互いに距離をとり、立場は振り出しに戻ります。

 

 示すタイムリミットはとうとう30秒を切り、いよいよ後がありません。

 

 

 今まで受けに徹していた天童が、勝利を確信して慢心したためか「以前のツキカゲと同じように消してやろう!」とここで初めて明確に自分から距離を詰め*18、モモの逆胴を狙い振り被ります。

 この瞬間をモモは見逃さず、冷静に横薙ぎを屈んで躱し、2人の師匠が残したたましいの爪痕たる右肘の傷を柄頭でしっかりと抉ります。

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↑ ファニーボーンに入ってマジで辛そう

 

 古傷を叩かれ怯んだ天童をモモは「たましいは、誰にも消せない!」と叫びながら回し蹴り。態勢を崩し反撃の余地を潰してからすかさず高く飛び上がり、叫び声と共に頭上から逆手に握った刀を天童の胸元へ振り下ろします。

 決して大きな傷ではないが、胸に傷を負った天童はよろけながら後退し、遂には尻餅をついて戦闘不能に。決戦の一撃となったのが胸元の傷かつての長穂や雪と同じでありつつ、しかしモモは天童を殺しはしなかったのが味わい深いですね。ツキカゲは正義の組織なので。

 しかもここで刀を振り下ろすモモの姿、どっかで見たことあるよなぁ!? エモすぎ…………

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↑ 12話、天童の頭上から切り込むモモ 

 

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↑ 1話、幹線道路上で大型の人形を真っ二つにする雪


 

 

7. 詰め

 天童を下したモモですが、任務は終わっていません。ゲッカコウの機能は未だ健在です。

 薬物散布完了まで残り8秒。上空からモノミが球状の物体を投下し、モモはそれにリップクリーム型爆弾を投げつけ付着、雪の言っていた大穴に落下していきます。

 残り2秒を切り、瞬間内部で光が炸裂。爆発が連鎖していきゲッカコウが破壊されます。その爆発の中で、風切り音を響かせながら天高く登る一筋の光が。光が勢いを緩め静止したその直後、大きな桃色の花火が花開きます。

 

 

 

 残り0.7秒*19ギリギリでなんとか薬物散布完了の阻止に成功しました。カトリーナの言っていた「爆発物」とは花火大会で使用されるはずだった尺玉だったんですね。

 暗い空に輝く大輪の桃色の花の周りにはカラフルで小ぶりな花が寄り添うように浮かんでいます。色がね、色がエモいなぁ〜……

 それにしても花火で始まり、花火で終わる決闘って、オシャレすぎん?

 花火を見つめるモモがどんな表情をしているのかも、妄想が膨らみます。

 

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 ↑ キレーダネー!

 

 任務完了に湧くメンバーたち、雪が忌憚無くモモを褒めている姿でお腹いっぱいです。

 

 

 

8.  因縁の結末

 屋上の手摺りに寄りかかり、「私が、小娘1人に……」と悪態をつく天童。そんな彼女に向けてモモは自分の胸に拳を添えながら「1人じゃない。」と自信を持って言い放ちます。ツキカゲのみんなの思い、空崎に住む人たちの思い、様々な人から受け継いだたましいが、モモを強くさせ、格上の天童に辛くも勝利することができたのです。かつて長穂が雪に語った「強さの秘密」に、モモも辿り着いたのです

 それを聞いた天童はどこか満足そうな、あるいは呆れたような笑みを浮かべ、全身の緊張が解けてしまったように力無く倒れ、手摺りの隙間からゲッカコウの深い深い穴へと滑り落ちて消えてしまいます。

 その後、町中の薬物が晴れて倒れていた市民たちは次々と目を覚まし、完全に危機は去り、平和が取り戻されました。

 

Aパート終了。

 

 

 

 

 

9.  帰還、それぞれの日常

 8月18日の事件は「謎の地下組織による大規模テロ」であり、それを警察が鎮圧したという内容で報道されています。商店街で新聞を広げたおばあちゃんと張さんが事件について話している横で商店街の人たちの間では「影の正義の味方」は実在するのではないかといった内容の世間話に花を咲かせています。おばあちゃんはそんな話を聞きながら優しく微笑みながら新聞記事に目を落とします。

 

 お昼時、極めて適当に修理されたwasabiのテラス席には初芽、五恵、白虎、そしてテレジアの姿があります。どうやらテレジアの退院祝いとしてカトリーナにカレーを振舞ってもらっているようです。助かって本当によかったですね……

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 テレジアに出されたのはマッシュルーム、人参、ブロッコリー(多分)、ハート型のハンバーグが盛り付けられた深い焦げ茶色のカレー。日本の家庭料理感があっていいですね。*20 

 5人が席について食事を始め、テレジアは戸惑いつつも、横に座り無邪気にカレーを頬張る白虎に倣って、一口。口にした途端テレジアは目を輝かせて初芽に「美味しい。ありがとう、初芽!」と告げ、今までに見せたことのない満ち足りた笑顔を見せます。その様子を見て五恵は初芽に微笑みかけ、カトリーナは「よかったわね。」と初芽に優しく一言。*21 カトリーナからの祝福を素直に受け取りつつ、今回の騒動で出会った人たちとも友達になりたいと決意を改めて口にします。テレジアが幸せそうに笑っている姿でこちらも幸せです。

 それにしても白虎ちゃんは元気が良くて微笑ましいですね。気分が明るくなります。 

  

 

 

 

 夕日が差し込むアパートの一室、開け放たれた窓際*22 で楓は命のアコースティックギターで一人寂しく演奏の練習をしています。そんな中ようやく命が帰宅。楓は慌てて命に駆け寄ります。*23 空崎財団から取り調べを受けていたらしく、若干お疲れの様子。

 命の帰宅に心底安堵した様子の楓は「もう戻ってこないんじゃないかと……」と不安に感じていたことを打ち明けます。

 そこで命は「そんなことない、前にも言ったけどいつだって一番居心地がいい場所にいるだけだ。」と優しく語りかけます。命の言葉を聞いた楓は途端に恥ずかしくなりそっぽを向き、「師匠ってば……」と赤面しながら呟きます。いやもうこれプロポーズじゃん結婚しろよ。

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 とイチャイチャタイムが終了し、楓は命の手荷物に気がつきます。命によると天童が飼っていた文鳥「チッチ」を引き取ってきたよう。「鳥に罪はないから。」*24 ええやつや……

 経緯を理解した楓は途端にプルプルと体を震わせ「天童のこと、案外気に入っていたのでは!?」と嫉妬丸出しプリプリ剥れ面で追求します。いや、どうしてそうなる……

 

 

 日が沈み、暗闇に包まれた砂浜を歩くモモと、数歩後ろをついていく雪。

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↑ 師匠の後ろを付いて回っていた弟子が今では

 

 同じ歩幅で歩く中、雪はモモを呼び止め「ツキカゲを卒業する」と告白します。沖縄での作戦時から見られたスパイスの効き目が悪くなってきたことが理由だと語ります。驚くモモは卒業後の進路について尋ねますが、雪は一呼吸置いて「記憶を消して一般人に戻る」と告げます。

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↑ 本能的に理解を拒んだ呆け顔が本当に辛い

 

 まるで何を言っているか分からない様子のモモに、携帯型拳銃を手渡し握らせます。ディスプレイには「記憶消去 70%」の文字が。理解が追いつかないモモをよそに「これで自分を撃って記憶を消せ。」とあまりに残酷な任務を告げます。

 

 

 

10. 巣立ち

 雪からの任務に戸惑いを隠せないモモ。私もダメダメ言いながら狼狽えていました。モモにとっては「自分を殺して欲しい」と言われてるのと同じだよぉ……

 モモは必死に雪を引き止めようとします。「自分は未熟でまだまだ師匠から教わらなければならない。」「記憶消去後は生活が困難になるのでは?」と懸命に雪に思い留まらせようとしますが、雪は「もうモモは弟子を取れる一人前。」「記憶消去後は商店街の協力者などのサポートがある。」と優しく否定します。

 

 ここで商店街の梅子おばあちゃんが記憶を消した元ツキカゲメンバーだと明かされます。

 

 どうやっても雪を止めることが出来ないと悟ったモモは、たまらず雪に抱きつき子供のように泣きながらいやだいやだします。そんなモモを雪は慈愛に満ちた微笑みを湛えてモモを抱きしめます。5話では「任務中だから。」とモモの抱擁を厳しく拒んだ雪ですが、最後だけは……うぅ………

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 雪は「モモの唯一の弱点は自立しようとせずに師匠に甘えようとするところ」だと語ります。モモを引き離し、モモも自分も互いに自立する時がきたのだと言う雪に、それでも尚モモは師匠を忘れたくないと駄々をこねます。

 しかし雪はその言葉を遮ってモモの胸を指差し、「長穂と自分のたましいはモモに受け継がれている、だからずっとモモの中で生き続ける」と諭します。*25 最後の最後で「モモは自慢の弟子だ。」と、かつてモモが自分を自慢の師匠だと言ってくれたことに対して返事をし、今までついてきてくれたことその果てで自らを超えたことへの感謝を伝えます。

 モモは堪らず声を上げて泣きじゃくりながら再度雪に抱きつき、雪はそれに応えてモモを抱きしめ、静かに涙を流します。*26 気づいたように顔をあげた雪は、佇む長穂の幻影を見ます。微笑みを投げかけてくる影に労いを見つけたのか、或いはモモにとっての師匠離れが自分の様にはならなったことに安堵してか、雪は仄かに笑みを浮かべます。*27

 

 目元が隠れているのがまた…… いや、いや………

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 夜は更けて、そして辺りがだんだんと明るくなってきたころ。*28 師匠に抱きついて啜り泣くモモと、それを許して遠くを見つめる雪。ずっと寄り添っていた2人ですが、このままではいけないと察したのでしょう。遂に泣き止み1人立ち上がったモモは、手にした記憶消去銃を見つめ覚悟を決めます。モモの後ろ姿に座ったままの雪は「あとは貴方に託すわ。」と声を掛け、声を震わせながらも「任せてください。」と答えるモモ。拭ったはずの涙は再び流れだしますが、モモの覚悟は揺らぎません。やっと独り立ちが叶ったモモを見て心底満足そうに頷く雪。

 

 一歩、二歩と雪から離れ、振り返り雪に向き合うモモ。深く一礼し「今まで、ありがとうございました。」と感謝の言葉を一言口にし、それに雪は何も言わずに優しく微笑みます。

 涙を流し続けながらも、敬愛する師匠に、1話では師匠に向けられた銃口を今度は師匠に向けたモモは遂に引き金を引きます。直前、映像では渚が映し出され銃弾の射出音が響き、モモは夜明け前に雪からの最後の任務を終えたのでした。

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 そして夜が明け───。

 

 

 

 

11. 新時代の夜明け

 時は流れて9ヶ月後。地平線から覗く太陽に照らされる工場群。幹線道路を高速で走るトラックが突然横転し、荷台からは二つの影が飛び出します。*29 道路の真ん中でへたっと座り込む制服姿の少女と、その目の前でしっかりと立つスパイ姿のモモ。どこかで見たことがある様な構図です。

 座り込む少女は「自分にツキカゲなんて、自信がない。」と語ります。どうやら少女はツキカゲにスカウトされている様です。

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↑12話

 

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↑ 1話


 

 

 そんな事情知ったことではないと言わんばかりにキール音を響かせながら黒服の男が銃を構えて乗り出している黒塗りの高級車が迫ってきます。

 発砲音に怯える少女でしたが、目の前のモモは動じず、敵に向き合います。

「初めに自信がないのは、当たり前のことだよ。」

 腰に下げた刀を引き抜き、左腿に固定したホルダーからスパイスを取り出し

「積み上げた努力と、その成果が」

 遂に目の前に黒塗りの高級車が止まり、中から銃を構えた男たちがぞろぞろと出てきます。尚も余裕でモモは取り出した一握りのスパイスを口にし

「自信に繋がるんだから。」

 スパイスで身体能力が跳ね上がったモモは町の平和を守るべく、座り込む少女に道を示すべく駆け出します。ED「Hide&Seek」が流れてはぁあああああああああ………と完全におしまいになってしまいました。*30

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 駆け出したモモの瞳を覗き込む形で、平和な空崎の町のカットへ移行。(OPでのアウトロ直前のオマージュ 動画1:00辺りから)

 

www.youtube.com

 

 

 

 先の結果は推して知るべし。

 

 商店街を駆ける制服姿のモモ、禁煙の商店街でタバコを吸う不良2人組を見つけると躊躇う事なく注意します。1話からの成長を感じますね。いや、と言うかこの2人、しっかり言うこと聞くし素直でいいやつそうなのですが1話でおばあちゃんに注意された時点できっぱりやめよう。さては反省してないな?

 教室で猫の動画をスマホを友達2人とみるモモ。1話の孤独で寂しかった様子とは打って変わってとても楽しそうです。

 姿見の前でテレジアに服を合わせる五恵。テレジアの「こんな可愛い服きたことないぞ……」みたいな表情が可愛いです。

 ツキカゲ本部ではんだ付けする初芽と、背中から抱きついてその様子を覗き込む白虎。初芽、殆どママである。

 wasabiでカレーを煮込むカトリーナと、その横で皿洗いをするドルテ……ドルテ!?生きとったんかワレェ!? 今ではすっかりと薬が抜けた様で、黙々と皿を拭く姿はなんだか面白いですね。*31 wasabiの店員の戦闘力が更に上がった様です。

 wasabi店内のテーブルではツキカゲの忍動物たちがゆっくりお休み中。とても可愛い。人形見たい。サンチョみたいに商品化しません?

 次々と映し出される商店街の人たち。みんな大切です。

 夜になり、駅前で今日も弾き語りをする命。最初の頃よりかなり観客が増え、その最前列で見守る楓。結婚したのか? いつか再び会うことをじて、今日も命は歌います。あれ、不倫か?

 町は眠り、やがてまた目を覚まし。

 明け方に川沿いを1組の師弟がランニング中です。手足に重りをつけて先行くモモと、その後ろでへばりつつも必死に付いていく新たな弟子、才賀伊智香。前途多難ですが、きっとモモならしっかりと弟子を導いてくれることでしょう。

 

 

12. 新生ツキカゲ

 ある晴れた日、モモと伊智香は2人で海沿いを散歩中。*32 伊智香を見つめるモモの優しい表情は、自らの師匠とは少し違いますが、それでもしっかりと弟子を導いている師匠の顔です。2人の身長差もあって姉妹の様にも見えますね。

 2人並んで歩いている中、モモは前方を歩く人物を認めハッと驚きます。私服姿のです。思わずモモは立ち止まりますが、雪の方は気に留める様子も無く歩き続けます。モモとの記憶が無いので当然です。ここのシーンも1話のリフレインになっていますが、ここでは挨拶を交わすことはありません。

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 そのことに悲しさを覚えつつも、弟子の前では見せてはいけないと我慢の表情を浮かべるモモに今回何度目かわからない成長を感じます。

 

 すれ違う雪はと言うと、またも髪に目が隠れて*33 はいますが何故かすれ違いざまにフッと笑っています。アレェ?

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↑なにわろてんねん

 

 モモの止まった時間が動き出す様に携帯の着信がなります。どうやら任務の様です。会話の中で伊智香のコードネームが「孫一」であることが判明しました。

 

 

 深夜になり、工場群には怪しげな人影が。スパイ装束の初芽は白虎と共にモニタ前でナビを、初芽の合図と共にモモ、伊智香、命、楓、五恵、テレジアの6人はスパイスをキメます。ここのシーンも1話を思い出させつつ、新たな顔ぶれも。五恵はテレジアを弟子に取り、そのタイミングで初芽はバックアップ専門になったのでしょう。楽しいこと好きの命は未だ現役。期間が長い分、命の卒業タイミングでは楓が荒れに荒れそうですね。

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↑ いっちょまえにモニターを眺める白虎だが、バカだから恐らく本当にモニターを眺めているだけだろう。可愛い。

 

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 全員がスパイスを服用し、今の前線指揮担当のモモが号令をかけて出撃。

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「ツキカゲ、ミッションスタート!」

 

 

 

〜おしまい〜

 

 

 

 

いや、本当にいい話だったなぁリリスパ、ヤバァイ。王道ダネ。最高。

 

 12話は今までの場面のリフレイン、特にモモと雪の出会いを描いた1話との構図の対比が多くてとても感動的です。泣く。

 

 

・12話の見所 

 私個人としては

1. 白虎とカトリーナの介入

2. モモvs天童の殺陣

3. モモの独り立ち

 が特に印象に残るシーンでした。とは言ったものの毎秒愛おしいためどれか一つに絞るなんて到底出来ません。

 

 

・放送前考察の答えあわせ

 リリスパ考察記事で話した最終話予想と照らして見ると

1. カトリーナ、白虎ちゃんがツキカゲメンバーを手助け。

 ありましたが、アシスト先は楓でした。

 

2. 雪、最後のスパイス服用

 無くて本当によかったです。

 

3. 命の二重スパイ暴露

 信じてたぞ。

 

4. 天童のスパイス服用

 明言していないがおそらく。

 

5. 長穂の生存

 語られず。

 

6.  モモの完全な自立

 泣いた。

 

7. モモがスパイスを多重がけで壮絶に散華

 無くて本当によかったです()

 

8. 命と信の再会

 今回アニメではほぼほぼ信については触れられず。考察記事で話したような動機では、命とカトリーナは動いていませんでした。

 命と信の感動の再会は今後に期待です。

 

9. モモが弟子を取る

 ツキカゲ関係者ではなくてめちゃくちゃ好みです。

 

10. テレジアを初芽が助ける

 ありませんでしたが、友達と幸せそうに笑うテレちゃんで泣いた。

 

11. 命の死

 優しい世界で本当によかった。

 

12. 天童がゲッカコウの薬品を一身に浴びる

 しませんでした。

 

13. 楓がギターを練習する

 してますねぇ!

 

14. モモ「ツキカゲ、ミッションスタート!」でアニメ終了

 「モウリョウソラサキ支部が壊滅した後も平和維持活動を続けるツキカゲ。雪が引退して数年後にモモが前線のリーダーとなり号令を掛けて画面一杯にタイトルロゴが映されて最終話終了。ある……あるかなぁ?」

 大体あっててゲラゲラ笑ってる。

 

 

・疑問点と残された謎

 大団円を迎えたリリスパですが、未だ謎は多いです。そちらを見ていきましょう。

 

・長穂の生死

 結局最後まではっきりしなかったのですが、故に本当に死んだのだと思います。(死体未確認は生存!)

 

・天童の生死

 12話でモモに倒された天童、最後にはゲッカコウの屋上から真っ逆さまに落ちていきます。(転落死は生存!)

 

 ここのシーン、例の会議で問題になりまして、「モモならここは飛び降りてでも天童を助けようとするはずだ。」という主張が出ました。それを聞いて、確かに心優しいモモが見殺しを是とするとは考えにくいと思いましたが救出可能だろう猶予の間にモモが飛び出す描写はありません。

 考えられる可能性としては

1. 落下先で救助要員が待機していた

2. 駆け出す体力すら残っていなかった

3. 実はカメラに写っていないだけで助けるために飛び降りていた

4. 制作上の都合上、天童の生死を明確にしたくなかった

 

のどれかでしょう。まぁ4が濃厚なんですけど、それを除外するならば1が一番あり得るかなぁと思います。下には楓、五恵、カトリーヌ、白虎と人員はたっぷりで、他にも人形の遠隔操作などもあり得ますね。

 

・モモの父親の死の真相

 モモとの対決中に秘密を知っていると口にした天童。モモを陥れるフェイクである可能性が高いですが、はっきりとしていないため本当に裏がある可能性を否定できません。

 

・モモの特殊体質

 超感覚の真実も明らかになっていません。本当に天然の体質である可能性もありますし、考察で話した様に作られた力である可能性もまだ残っています。今後も展開して解説してほしいです。

 

・モモが伊智香を見出した理由

 命に「超感覚」「勇気」を買われてスカウトされたモモですが、伊智香に関しては明言されていません。モモの様に特殊な技能を備えているかも知れないし、本当に何もないかも知れない。この辺りの馴れ初めも映像なり書籍なりで補完してほしいですね。

 

・スパイスの由来、ツキカゲとモウリョウの開祖

 次回作のネタに出来そう。*34

 

・初芽の母親の過去

 KEYWORD: 06-002「初芽の両親」にて母親の旧姓が「霧隠」であるとの記載がありますが、主人公のモモの母親でさえ旧姓については特に話されていないが、わざわざ初芽だけ、しかも「霧隠」ともなれば何か設定がありそうです。次回作のネタになりそう。

 

・雪の記憶

 最後に見せた雪の意味ありげな笑み、どうにも雪はツキカゲの頃の記憶を残している様です。会議でもこのことは問題に上がり、誰かがズルしているのだろうということになりました。可能性としては

1. モモが直前で携帯型拳銃の記憶消去量を弄る

2. モモが結局雪を打てなかった

3. 雪の方が銃に細工をしていた

4. 記憶を移植した

5. 奇跡的に薬が効かなかった、あるいは思い出した

6. すれ違いざまに笑ったのは記憶が無くともたましいが覚えていたから思わず

7. ただの思い出し笑いで、記憶は本当に消えている

 

 4〜6は無いとして、まず1と2から。どちらも直前でモモが日和って雪の記憶を消さなかったという説ですが、これはまず無いでしょう。雪のことを敬愛するモモが、その彼女から課せられた最後の願いを踏みにじるとは考えられないし、あの場面では成長した姿を最後に師匠に(たとえ忘れてしまうのだとしても)見せようとするのが弟子心というものでは無いでしょうか。

 それに偶然雪と遭遇するシーンで、仮に雪に記憶があることを知っていたとすればわざわざ驚く演技なんてする必要なく、さらっとすれ違えばいいだけでしょう。あまりスマートではありません。

 

 では3はどうでしょう。先ほどの説と比べるとこちらの方が可能性が高いです。スパイは嘘つき*35 なので、最後の最後で弟子に嘘をつくのもあり得るでしょう。

 なら何故嘘をついたのか。会議参加のうち1人がそのヒントを見つけました。梅子おばあちゃんです。

 雪の口から梅子おばあちゃんが元ツキカゲで記憶を消した者の一人だと語られました。その梅子おばあちゃん、8月18日の事件についての記事を読んでいる時に優しげな表情を浮かべています。最初は事件解決にホッとしているだけなのかと思いましたが、おばあちゃんが元ツキカゲであるとなると少し違った見え方をします。

 つまり梅子おばあちゃんは「実際にはツキカゲの記憶を残しており、町を救った後輩たちの活躍を讃えていた」のでは無いでしょか。

 

 「師匠の記憶を弟子が消す」というのは表向きでは情報漏洩防止の義務だが、その実「弟子の独り立ち」の儀式である、という説ですね。

 結果的にモモは師匠離れに成功し、一人前のスパイとして弟子を取るまでに成長しました。

 

 いつまでも独り立ちを出来ない弟子を見かねた師匠が、いつかの時代に生み出した苦肉の策なのかもしれません。

 

 

 7もまぁ、ミスリードでありえるけどエモくない*36 ので却下。

 

 

 

・期待される今後の展開

 すでにスマホアプリゲームのリリースが決定しているリリスパですが、まだまだ展開の余地を残しています。

 

 ・ゴルジェネの映像化

 ・アニメ続編

 ・様々な時代のツキカゲ

 

などなど。個人的には雪の記憶や伊智香の成長がとても気になるので是非アニメ続編は製作してほしいですね。

 

 

 

 

・終わりに

 3ヶ月間、毎週楽しみに視聴していたリリスパが終わってしまうのは大変悲しいことですが、幸せな最終話を迎えることが出来てとても嬉しいです。本当にありがとうリリスパ。

 

 振り返ってみると特に捻りのない王道スパイアクションであり、陳腐な話だと批判の槍玉に上がることもあるでしょう。この作品を楽しめなかった人はおそらくシンフォギアを見ることが出来ない、つまりは「適合者」ではありません。*37 ただ鬱展開にすることや気を衒う事だけが良いというもので無し、王道の成長物語を評価するかしないかでリリスパは超駄作にも神アニメにもなりえます。*38

 冒頭でも話したように、序盤からしっかり見ていれば見ているほど楽しめた作品だったと思います。若干設定や展開の甘さも見られましたが、それでも対比表現や二重スパイのヒントなど細部に至るまで丁寧に作られており、気合の入ったいいアニメでした。リリスパ全面肯定派として、今後も展開を待ち続けます。

 

 まずは近いうちに配信されるであろうアプリゲーム「RELEASE THE SPYCE secret fragrance」(リリフレ)を楽しみに待ちましょう。リリフレではゲッカコウ作戦を阻止してから雪がツキカゲを卒業するまでの数日間を描くそうで、アニメ後の補完としてはとても嬉しいのですが、だからこそファンを熱いうちに叩くために早めのリリースが望まれます。*39

 

 ゴルジェネの単行本の発売日もいよいよ迫ってきて、ソワソワが止まりません。そこで新たな謎が増えるのか、新発表があるのか、期待です。

 

RELEASE THE SPYCE GOLDEN GENESIS

RELEASE THE SPYCE GOLDEN GENESIS

 

 ↑ 最近だけでこのリンクめちゃくちゃ貼ってる気がする

 

 

 

 毎度毎度言ってる気がします、本当に長くなりましたがお付き合いいただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

影の奥まで迷い隠れてしまっても

信じてるの、キミの「みぃつけた」を待ってる

*1:やる気と元気は勇気からなので

*2:界隈では「◯◯会議」と読んでいるが、ここで私の口から正式名称を明言する事は憚られるためただ「会議」と呼称

*3:全て話すとそれだけで記事が終わってしまうので省略

*4:タカヒロを信じろ」と冗談半分でタイトルにしたが、まさか本当に信じてよかったとは思わなかった

*5:「リリスパ」タカヒロ、「鬱展開、ありますか?」にどう答える? - アキバ総研

*6:命の説明によると「最後まで吸い続けると」とのことで、散布仕切り体内に一定量薬物が蓄積するまでに若干の猶予がある

*7:得意げな表情が本当に可愛かった

*8:ほとんど確定していたようなものだが、実際に明かされるまでは不安なものである

*9:冷静になってみると命を疑うのなら彼女が手を下した初芽の生死も疑うべきでしょとは思った。現場を従順な手下であるテレジアが目撃しており、死体確認の時間もなかったため仕方がなかったとも思えるが、それにしても詰めが甘い、某遠坂家並みのうっかりである

*10:好き

*11:表情だけで意思を理解した初芽、バッチリです

*12:白虎の尋問には溶鉱炉を使ったため、もしかしたら命もただではすまないかもしれない

*13:命の驚き顔だけ異常にコメディ寄りで雰囲気台無しである、そこもまた好きなところであるのだが

*14:ヘッドセットを潰して投げ捨てたところに天童がかなり苛立っていたことが伺える

*15:2話での競輪場の時のように闇雲にではなく

*16:投与直後から瞳が赤く光っているためおそらくスパイス

*17:セイバーは自らが所有する、あまりにも有名な聖剣から真名を暴かれることを防ぐため、剣に風を纏わせその存在を隠す

*18:天童が攻撃を仕掛けてきたのは常に一足一刀の間であり、離れた間合いから攻めようとはせず強者の余裕を感じさせる戦い方だった

*19:ここでタイマーの表示が「:00.7」になっていると教えてもらってははぁとなる

*20:ハート型のハンバーグが妙に引っかかるところ

*21:カレーを作ったのはカトリーナじゃなくて初芽? 実際のところはテレジアと再び友達になれたことに対する祝福だと思われますが、無きにしも非ず

*22:命の特等席

*23:嫁かな?

*24:天童はチッチの餌を手ずから選んでいたほどに可愛がっていたため無いとは思うのだが、万が一ツキカゲのカマリ達のように訓練された動物だったらと思うと

*25:9話 モモ「熱い思いが伝わる。」(雪の胸に掌を当てながら)

*26:今まで雪は、長穂を目の前で斬られた時ですら涙は見せなかった

*27:あくまで個人の想像である

*28:師弟の大事なことは未明から明け方に行われがち

*29:ここで直前の夜明けと時間的な繋がりが見えるの好き

*30:挿入歌風に主題歌が使われる演出、好き…

*31:薬で強化されていた頃は皿すら食べていたので

*32:海沿いは雪との思い出が詰まっているのでこれだけで泣ける

*33:師匠達はここぞという時に目元を隠しがち

*34:前回モウリョウのスパイス技術に関して言及しましたが、公式サイト「KEYWORD」第3話 KEYWORD: 03-008「黒いスパイス」に解説がありました。

*35:プリンセス・プリンシパルでもお決まり

*36:エモ・パチーノ

*37:ガバガバ展開から最終話で爆発するのはシンフォギアのお決まりなので

*38:勢いで持っていくアニメは脊髄反射的にその波に自ら便乗することで最大限楽しむことができる、というのはある人からの受け売りである

*39:2019年春配信予定と発表されている